2014年2月22日土曜日

小さな気づき


しばらく前のこと。
ふとした時に、ある少年の頭をなでていました。
よく考えてみたら、今までその子との間にそういうことはなかったように思うのです。
その子に限らず、私ってそういうキャラじゃないと、自分では思っているんですが。

その時、なぜ自然に手が伸びて、彼の頭をなでていたのかは……自分でもわかりません。
ただ、なでている時に「かわいいな~」という思いが、自然と私の中に湧き出ていました。

なでている自分に驚き、「かわいいな~」としみじみ思っている自分に驚きました(笑)。
驚いたのは、それがわが子ではないのに、わが子に近い感覚がしたからだと思います。
その一瞬に過ぎないんですけどね。


人って、どういう時に相手を「愛おしい」と思うのでしょうね。
大人が子どもを「かわいい」と思うのは、どんな時なのでしょう。

自分の子どもをかわいいと思う。
これ、当然のように思うかもしれないけど、そうでもないんですよ。
もう10年近く前、ある妊婦さんが来てこう言いました。
「子どもが生まれてくるのが怖いんです。私は本当にこの子に愛情を注げるかどうか、自信がないんです」

それを聞いた時は、驚きましたね。
だって、妊婦さんなのに……。
ご自分のお子さんが生まれてくるのに……。
そう思いました。

でも、人にはいろんな感情があって……そこには、当たり前っていうのはないんですよね。
母だからと言って、無条件に子どもを愛せるわけではないし。
親だからと言って、子どもの代わりに命を差し出せるとは限らない。
人の心はとても複雑で、傷つきやすくて、曖昧なものです。

日本には、未だに母性神話があります。
「母親なんだから、愛せて当たり前」
そんなこと、ないんです。
母性は、生まれ持ったものではなく、育んでいくもの。
それも、母親になってから育むものじゃなくて、幼少期から育むものです。

だから、あなたの近くにわが子を愛せない人がいたら、どうか責めないでください。
あなたがもし、「わが子を愛せない」と悩んでいるなら、いつかふと心の奥から湧き上がり、その手を伝って愛情が子どもに伝わる瞬間があることを知ってください。

それが、血のつながりのある子でも、ない子でも、近所の子でも、縁のある子でも……。
その子に対して、突然ふと湧き上がるものがあるんですよ。
今は、信じられないかもしれないけれど。

この日本には、母性神話に苦しむ母たちが意外といるっていうことを知ってください。
そして、あなたが子どもを愛せる実感があるのだとしたら、それはとても幸せなことだと改めて知ってほしいと思います。




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